登山GPS
日本の登山なら “みちびき” の衛星電波対応が間違いありません。
“みちびき” とは、日本が開発を進める衛星測位システムで、現在数十メートルの誤差を、数メートルさらには数センチまで精度を上げるというプロジェクト。
現在の携帯型の衛星測位デバイスは、送信信号がL1C/A, L1Cのみしか出回っておらず、誤差は10m程度とGPSと同程度とされていますが、実際、GPSのみでは約10~25mという誤差が、 “みちびき” を補足すると誤差約3~9mと精度が向上するのが実感できます。
同じ商品名でも、日本語対応していない並行輸入品だと “みちびき” に対応していないGPSもありますので注意が必要。
GPSに用いる登山地図はいろいろ利用できますが、当サークルは “日本登山地形図(TOPO10M PlusV3)” を使用。
GPS選択時は、登山地図が標準装備か?あとからインストール可能か?また、インストールできないGPSもあるので確認が必要です。
以下のGPSは “みちびき” 対応で、登山地図も標準装備もしくはあとからインストールできるタイプ。
最初に紹介した “オレゴン750TJ” の前モデル “オレゴン650TCJ2” を当サークルは使用しています。
前モデルのレビューとなりますが、液晶画面がタッチパネルで直観的な使用が可能。なんと滑り止めゴムがついた軍手でもタッチできます。
GarminフラッグシップモデルでGPS機能は申し分ありません。が、画面はカラビナや汗で湿った服が触っただけでも反応するので、画面オフを忘れると勝手に押されまくり設定が滅茶苦茶になります。
画面オフは、設定でサイドボタンに割り当てられますので、ワンプッシュで画面できます。
電池消耗はカタログでは16時間、実際は画面つけっぱなしで4〜6時間程度、画面オフをまめに行うと9〜12時間程度でしょうか。アルカリ電池では軌跡記録中の電池残量が気になるので、エネループPROを登山前に満充電。エネループPROは通常よりサイズ若干大きいとAmazonレビューにもありますが、オレゴン650TCJ2には問題なく収まります。
液晶パネルは、日差しの中でも驚くほどよく見えます。
防水性能もさすがで、沢で30回以上滝に打たれまくり泳ぎまくりしています。一度、USBケーブルを刺すところのゴムキャップが緩んでいたことがあり、うっすらと水滴が電池付近まで侵入していました。
それから、電池をはめる際ゴムキャップと裏蓋の密閉をキチンと確認するようにしていますが、その後、水滴の侵入は確認していません。また、山行中にゴムキャップをイチイチ確認することはしていません。このことから、性能の問題ではなくウッカリ閉め忘れによる水滴侵入だったのか・・・と思っています。
カメラ性能はお世辞にもいいとは言えませんが、歩行ログと連動し時間や緯度経度が関連づけられるので、後から記録を残す場合に確認作業がスムーズです。
“eTrex Touch 35J” と “eTrex Touch 25J” の決定的な違いは、気圧高度計が装備されているかいないか。複数のGPS電波から高度計算はできますが、捕捉する衛星状態によっては誤差が大きくなる。精度を上げるため上位機はこれを気圧高度計と合わせデータを表示します。
海やロードマッピングなど高度はそこまで重視しませんが、やはり登山ではできるだけ正確な高度を得ることが理想。
Garmin バックパックテザー
“オレゴン650TCJ2” ですが、画面オフを忘れてなくてもマーカーアラームに反応すると画面オフが外れますので、胸ポケットなどでは相変わらず設定が滅茶苦茶。最悪は、電源が落ちたり歩行ログが削除されたりしています。
設定が滅茶苦茶になるのはリセットで済みますが、歩行ログの欠落は勘弁してもらいたいものです。
そこで、 “Garmin バックパックテザー” 。
ザックのショルダーハーネスにバンドを装着し、バンド部分とGPS本体をベルクロ(マジックテープ)で固定するタイプで、紹介した3つのGPSはもちろん、Garmin製の商品ほとんど対応します。
警官や救助隊が胸に無線のマイクを装着していますが、そのような格好になります。
使い勝手はすこぶる良好、ベルクロも強力でサッと手に取ってサッと元の位置に戻せます。まず自然に外れることはありませんが、少しの段差を飛び下りたときベルクロが緩むかもしれません。しかし、不意な動作で外れても落下防止のテザー(紐)が活躍します。持っているのと無いのでは快適さがまったく違います。
それと、胸元にGPSって意外と目立つので、すれ違う登山者の視線がオレゴン650によく向けられます。