日本には57の烏帽子岳がある。麓から眺めると日本古来の帽子「烏帽子」に見えることからこの名がついたと言われる。
昔の人には帽子に見えた烏帽子岳。
こちらの烏帽子岳は山頂に烏帽子嶽神社があり、参拝を兼ねた登山者も多い。
山頂に着くまでに3つの鳥居をくぐるという荘厳な登山道だ。
ちなみにこの登山道、「自然とのふれあいを推進し、人と自然との共生に関する意識の高揚を図るため」に鹿児島市が設置した7か所9コースの自然遊歩道のひとつである。
市が設置した自然遊歩道ときくとお花畑のような散歩道を想像するが、甘くみてはいけない。
ゴロゴロした大岩や鬱蒼とした常緑広葉樹の林が続くれっきとした登山道なのである。

山頂の烏帽子嶽神社で安全祈願をした後は、登ってきた烏帽子岳をバックに約8キロの旧知覧街道を下る。
緩やかな下り道はスダジイやアラカシなどの木々に覆われており、途中、沢の水場では水分の補給ができる。
そこからしばらくすると視界が広がり、変化に富んだ美しい錦江湾と桜島、高隅連山を眺めることができる。
旧知覧街道の名残である五里塚は、昔話の旅人を彷彿とさせる。
鉄塔のある展望地点で一息ついた後は鹿児島市民の憩いの場、錦江湾公園まで約3キロの道をラストスパートだ。

烏帽子岳の情報