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Kagoshima Mountaineering Circle

初めてのザックは中型35L以上

初めての本格ザック

初めてのザックといえば日帰り登山を想定し、そして日帰り登山と言えば20~30Lを推薦するショップが多く、また、店頭で35~40L程度を横に並べるとこんなデカいのはチョット・・・と20~30Lを選びたくなります。
また、容量が大きくなると価格が上がるので、気が小型ザックになおさら向きます。
そして登山専門ショップでも、日帰りで初ザックと相談すると37~8L程度を強く推してくるスタッフもいれば、心の底では35L以上がいいと思っているのにゲストの希望を察知してか、本当にそう思ってるのか、このくらいのザックが日帰りには・・・って、小さめのザックを勧めるスタッフもおり、前者は稀です。

サーファーが何枚もボードを持つように、どうせ、山を続ければザック一つでは足りなくなるのですが、値段がいちいち高い登山道具。初期投資も結構かかるので、最初の一つは汎用性の高いザックを選びたい。

ところで、30L以下は小型ザック、大体それ以上を中型ザックと位置付けるブランドが多く、だいたい35Lを境に商品開発コンセプトも変わってきます。
当サークル推薦は、山を続けるなら日帰りでも35L以上の中型ザック。1~2泊で小屋泊まで視野に入れるなら3シーズンで45L。
最初っから知ってれば・・・ということが無いように、ちょっと見てみましょう。

中型ザック推薦の理由

中型ザック容量
まず冬です。空気の澄んだ山は凛としてとても素敵です。
ウインターシーズンは、ウールやハードシェル、ダウンなどウェアが一気に荷物が膨らみます。歩行時にダウンはザックに突っ込むわけですが30L以下だと厳しいですね。コンプレッションすれば別ですよ。
みぞれ交じりの雪が降りだしたらどうしましょう?ザックに素早く仕舞えないと大変。濡らせば最悪、着れば汗だく。

熱いコーヒーから始まった山頂でのひと時は、次の山ランチはビーフシチューとバゲット、パスタ、夏は冷やしソーメン・・・とか、山に登るたびやりたいことはどんどん膨らみ、クッカー(調理道具)も増えていきます。
さらに、山のグレードが上がるとエマージェンシーキットやファーストエイドキットなど・・・。

登山道具が増えることはあっても、少なくなることは考えにくいです。ザックに関して間違いなく言えるのは、大は小を兼ねます。
最初小型ザックを選んでも、やりたいことが広がると中型ザックを買い足すことになります。
中型ザックを買い足しても、小型ザックが無駄になる訳ではありません。ただ、最初っから想定を広く見ていれば予算を効率的に使えるということです。

登山道具の重量
グレゴリー パラゴン - 鹿児島登山サークル
容量もですが、ザックに入れる登山道具の重量も容量と同じく考えないとなりません。
中型ザックの特徴は、小型ザックに比べ重量物の運搬を想定されるのでウエストベルトや背中に当たる部分の設計も変わってきます。両肩ばかりでなく腰でもしっかり負荷を分散してくれるという訳です。
さらに、大型ザックに見られるフレームパックが、35Lにも装備されている商品もチラホラ・・・例えばグレゴリー・パラゴン&メイブン。

夏は水の量も増えます。ライフラインなので減らすわけにはいきません。
飲料水など水分だけで3kgなんてザラです。さらに、保冷剤, クーラーバッグなど、負荷分散に優れた中型ザックなら安心ですね。

小屋泊登山に興味を持ったらどうしましょう。九重や屋久島に行きたくなるかもしれませんよ。
2日分、6食の携行食や着替えなど、小型ザックでは無理があります。購入しないとならない道具が一つ増えると、実行に移すハードルが一つ増えます。
初の宿泊登山を決めたら、水などを積めて10Kg以上の重量歩行に慣れるトレーニングを行います。負荷分散に優れた中型ザックのありがたみがわかるでしょう。
ちなみに、管理人の知人は35Lで雪山テント泊に出かける・・・と言う猛者も中にはいます。ザックのなかは最小限度で、ロープ、バイル、マットなどザックに括り付け、ガチャ類はハーネス、付け取り付きからジャラジャラ言わせて歩く・・・。だから一概には括れませんが、ごく一般的なステージアップを考えた場合の例とお考え下さい。

中型ザックその他メリット
商品開発コンセプトが変われば、サイドポケットやファスナー位置など機能的なモデルが多くなり、より収納が便利に行えなえるのは当然のこと。

そして、意外と考慮されないのが、万が一の転倒・滑落の際、中型ザックは身体を守る範囲が大きいということ。前への転倒は反射的に手をつきますが、後ろへの転倒は無防備。転倒・滑落で受けるダメージの確立を下げます。
ザックは大きいほど安全確保にも一役買うという訳です。

オーストラリア・エアーズロックでの話。
知人が下降終盤に足を滑らせ滑落。アッという間の出来事で、ゴツッゴツという鈍い音と共に、辺り観光客の悲鳴が方々から響くと同時に十数mグランドフォール。
しかしです、本人は何事も無かったように起きあがり歩き出して皆を驚かた。
擦り傷や打撲はあちこちに見られましたが、ヘルメットもなく頭や体が無事だったのは奇跡です・・・が、その奇跡に手を貸したのはヒップベルトとチェストストラップをしっかり締めた大きめのザック以外考えられません。

中型ザックへのネガティブ意見

中型ザックへのネガティブ意見 - 鹿児島登山サークル
初心者がいきなり中型ザックを買うことへのネガティブ意見も記載しときましょう。

ザックが大きいとついつい荷物を詰め込み過ぎ、風の影響を受けやすくやせ尾根や岩稜などでバランスを崩す原因になる。したがって、初心者は30Lにとどめたほうが良い。
確かに一理あるので心に止めおきましょう。
荷物の詰め込み過ぎは気を付けてもらうとして、詰め込みたいのに詰め込めない方が問題と考えます。そして、最近のザックはコンプレッションベルトも気の利いた場所に装備されており、荷物を入れないときはスマートです。

自分の脚力がどれほどか分からないうちから重量物は危険。
もっともです。
山慣れしてない方は、昼食, 非常食, 飲料水, 雨具, 地図, コンパス, ヘッドライト, 薬剤・・・など必要最小限度にとどめ、いくつか場数をこなして慣れていきます。
荷物を詰めたザック重量を体重計で測り、重量を増やしていくと無理なくスキルアップできます。
そして、いろんなお誘いがあっても中型ザックならほぼカバーします。

気にしない人は気にしないでしょうが、中型ザックの難点は洗うのが大変。フレームパックなど入っていると洗濯機に投げ入れるというわけにもいきません。
その点は小型バッグの使い勝手がいいですね。

ザック選びその他ポイント

1気室 or 2気室
ザック2気室 - 鹿児島登山サークル
ザックの1気室と2気室では意見が分かれ、ベテランに多く1気室が良いと言われる傾向にあるようです。
一般的に言われる2気室のデメリットは、パッキングが上達しない・・・。しかし、当サークルは2気室でも用途次第と考えます。
最近は簡易2気室が多く、パッと1気室にも変更できます。

2気室は、なんといってもアクセスが簡単。ザックの底にしまいがちな雨具などをフロントからサッと取出し、また濡れた雨具を他の道具と分別してサッとしまえます。
リーダーから『雨具着用!』と号令がかかったとき、どこに仕舞ったか・・・ゴソゴソ・・・そのうちパッキングがメチャメチャ。
メンバーはすでに着用が終わり歩行の号令を待っているのに、一人だけ・・・モタモタ・・・。

将来、8mm×30m程度の簡易ロープならスペース的にも十分ですし、また、ツェルト(簡易テント)やエマージェンシーシートなど、使用後に泥が付着していてもしまうのに抵抗がありません。
2気室は中型ザック以上に多く見られ、とにかく有って損は無いと考えます。

ザックレインカバー
ザックレインカバー - 鹿児島登山サークル
最近はレインカバー付属モデルが当たり前ですが、一昔前は別売りが当たり前だったので、現在でも付属してないモデルがあるかもしれません。
必ず、確認しましょう。

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