Yama Go!Go!

Kagoshima Mountaineering Circle

体力に自信がない人の登山力養成講座

登山はハードなスポーツ

道迷いや疲労で遭難した人の多くは 『考えが甘かった・・・』 とよく言います。
登山はハードなスポーツ。
スポーツでは、試合の前に練習を積んだり、作戦を立てるのは当たり前のこと。
レジャーやピクニックではありません。

登山はスポーツですが、鹿児島の山に厳しいところはありません。
いつまでも経っても鹿児島ごときの山でゼイゼイ言っている方は、体力不足をトレーニングで補うという概念がないので、色んな山に登ってみたいとかは遥か遠い夢の彼方。
自分の体力を把握できる方は 『最近運動不足なんで、今度の山の前にちょっと走っとこうか・・・』 とモードを切り替えます。

リーダーが一緒に行きたくないと思う人
ぶっつけ本番で、体力づくりになんの準備もしない人。当たり前ですね。
体力不足に言い訳する人。

是非一緒にと思う人
体力はもとより、習ったことを仕上げてくる人。計画準備し甲斐がありますね (^^)!
登山集合場所に早く到着し、ウォーミングアップで周囲を散策、さらに散策がてら何か得るものはないか・・・と山に貪欲な人。将来が楽しみです。

登山力養成 体力と脚力

登山で最も大切なのは何といっても体力。
体力は登山の根幹です。
では、登山に通用する体力とは?
昭文社の『山と高原地図』の標準タイム約90%以下。60分のところは54分以下。そのペースで2~3時間歩き続けられること。
攻略は登りがカギです。

休憩せず時間を意識
標準タイム90%を切ることが目標ですが、最初は息が弾む程度で、できるだけ休憩を取らず頑張って歩き続けます。
息が上がりそうなら止まらずペースダウン。
これを何度も繰り返すとキツさが取れていき、同じペースで歩き続けられるようになります。
結果コースタイムも上げることができるでしょう。

止まると止まり癖が付くので、休憩はやめた方がいいです。
とはいっても展望所では足を止めたいですよね。水の移し替えとか・・・。
となると、90%では1時間でたった6分しか余裕が出ませんから、やはり75~85%あたりを目標としていく事となるので90%以下という表現です。
とりあえず90%を目指します。

登山で体力をつける
山でのトレーニングは、月間の累積標高差1500mくらいが推薦されます。
鹿児島の場合、開聞岳なら累積標高差が850mくらいなので、月2回を半年ほど、長い人で1年も登れば基礎的な体力づくりは整います。

登りを攻略しないと意味がないので、急登500m、バカ尾根800m以上の連続する登りがある山でトレーニング。
いきなりは心配の方、まずは “藺牟田池外輪山” がサークルメンバーM推薦。
藺牟田池に慣れたら開聞岳や横岳。

開聞岳コースタイム
開聞岳標準タイム、登り2:40, 下り1:50, 往復4:30
開聞岳90%、登り2:24, 下り1:39, 往復4:03
開聞岳80%、登り2:08, 下り1:28, 往復3:36
コースタイムには休憩含む。昼食休憩は30分程度で別枠。

ジムで体力づくり
歩行マシン角度20~30°くらいで2~3時間ひたすら歩く。
ジムでもザックで負荷を掛けます。
路上ランニングでも心肺機能を高めるには優れています。しかし、傾斜を上がり続ける筋力は傾斜でなければ鍛えられません。
家の近くを毎日小一時間ほど走り、ジムは週2~3回、そして山も並行すれば、短期間でベテランと肩を並べるほどになるでしょう。

参考までに高校山岳部のトレーニングは、男子20kg, 女子15kg のザックを背負い校舎の階段をひたすら上下。効果覿面ですが続けるには強靭な精神力が要ります(笑)
あと登山トレーニングとの問いに 『路上ウォーキング』 と答える方もいますが、運動量が低すぎて登山トレーニングとしては無駄です。


山と渓谷 979号 2016年11月号
第1特集 登山力養成講座(紙版 P33-90)
あなたはギリギリヨレヨレの状態で山登りをしていませんか?体力不足のまま山に登り続けていると、そのうち厳しい洗礼(遭難)を受けるかも。
『登山は激しいスポーツだ!』という厳然たる事実をしっかりと認識し、体力をベースとした “登山力” をしっかり身に付けましょう。

登山力養成 岩稜と小屋泊

岩稜攻略でさらなる登山力
初心者が一番時間がかかるのは岩稜。
ゴツゴツしたところが続くと、慎重となりあっという間に時間を消費します。
ただでさえ危なっかしいのに、タイムオーバーは焦りを招きバランスを崩しやすさが増大(@_@)
しかし日本百名山や二百名山など、名立たる山は岩稜オンパレードなのです。
鹿児島の岩稜で有名な “高千穂峰” は日本二百名山。

最も効果的なトレーニングはボルダリング。
まずは4級を目指します。
体幹とバランス感覚が極めて効率よく鍛えられ、岩稜でもホールドの見つけ方がうまくなります。
4級をいくつか落とせるようになると、岩稜では驚くほどボルダリングの効果を実感するでしょうね。
岩場は当然、鎖場やロープ場もへっちゃらです。

いきなり4級が登れる方は、3・・・2級と進みます。
ここでのボルダリングは体重移動とバランス感覚の訓練です。
だから力技の3級より、苦労して手に入れた4級の方が岩稜突破は早い・・・ということはよくあること。
最初登れた級の2級上位を目標に置くと良いでしょう。

宿泊登山で満天の星空
屋久島とか九重とかに興味ないですか?
ザックの重量を徐々に13kgまで増やしてみましょう。小屋泊2泊程度に余裕を見た重量です。
一気はいけません。徐々にです。
休憩なしで3時間くらい歩けるようになると、宿泊も含め九州のノーマルルートで行けない山はありません。
大崩山だけはちょっと別な訓練が (^^)

歩荷トレーニングに重要なザック。
一番最初案内する “登山初心者のための登山道具” にも記載があるように、45L前後の中型ザックだと、宿泊登山にも歩荷トレーニングにも問題なしですね。

ザックの重量
体重計で体重を測り、ザックを担いでもう一度体重計に乗る。その差がザックの重量です。
家庭用体重計は、10kg以下があまり正確でないものもあります。だから、ザックだけと、担いだ体重差を何度か図り、差がなければザックオンリーでも問題ないでしょう。
初期は5~7kg、徐々に重くし慣れてきたら年中13kgくらい。
テン泊をやってみたい方はもっと重くなります。
ザックの重量を答えられない方もいますが、自分に付加がどれだけ掛かっているか知らないなんて困った話です。

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