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Kagoshima Mountaineering Circle

登山地図とコンパスの使い方 – 現在位置の特定(クロスベアリング)

現在位置の特定(クロスベアリング)

登山地図とコンパスの使い方 - 対象にコンパスのトラベルラインを向ける

対象にコンパスのトラベルラインを向ける
コンパスの操作は、現在地から目標セットする手順とほぼ逆の手順です。
地図に記載される、山や湖、また鉄塔や橋などを探します。
体の前でコンパスを持ち、その対象Aにトラベルラインを正確に向けます。

登山地図とコンパスの使い方 - 導矢と磁針のN極を合わせる

導矢と磁針のN極を合わせる
対象Aにコンパスを向けた状態のまま・・・
ダイヤルをぐるっと回し、導矢と磁針のN極を合わせます。

登山地図とコンパスの使い方 - 地図上で導線と磁北線を平行にする

地図上で導線と磁北線を平行にする
コンパスを地図上に持ってきます。もう磁針は無視してかまいません。
コンパスのダイヤルは動かさず、ベースプレートの向きを変えながら、磁北線とコンパスの導線を平行にします。その時、地図の北と導矢のNの向きを間違えないようにします。
平行の状態を保ったまま、対象Aにコンパスの縁を合わせます。
その縁にボールペンで線を引いときましょう。その線上のどこかに現在地があるというわけです。

登山地図とコンパスの使い方 - クロスベアリング(2点交差法)

クロスベアリング(2点交差法)
登山道にいるなど、対象Aからの線だけで現在地がわかる場合もありますが、解らない場合はクロスベアリングの登場。
対象Bで同じことを繰り返し、線が交差したところが現在地です。
対象の数は3つくらいあると正確な現在地が測定できます。

その他の方法

GPS
Global Positioning System の略で、アメリカの衛星測位システム。日本も『みちびき』という高精度オリジナルも稼働中。なんといっても一発回答!精度はすべての測位の中でズバ抜けています。
ただし欠点も多々あります。電子機器なのでいつ故障するかわからない。実際に5kmほど別な場所をいきなり示しだし、永遠に戻らなくなったGPSデバイスに遭遇。ほかに、破損、気温低下の電池機能不全、電波障害・・・。一番の欠点は、情報収集能力が全く鍛えられないということです。

高度計
地図と組み合わせると、コンパスより素早く現在地を特定できます。地形を読む能力は必要です。

組み合わせて使う

地図とコンパスは、森林限界がないような規模が小さく見晴らしの少ないところでは難しい・・・ですが、上達すると、雪山でホワイトアウトの状況下でもいけるのです。
地図とコンパスは不安になってから取り出すものではなく、限られた用途の中で、状況を想定しながら計画を行い、確実に目標をとらえていくための道具で、用途が限られるのは欠点に見えますが欠点ではありません。

シンプルであればあるほど機能不全のリスクが低くなります。結局はコンパスに帰結するのですが、いきなりベテランにはなれないので、考えうる制限・・・例えば、気温、雨、地形、電池切れ、故障、破損、スキル不足・・・などなど、互いの弱点を補うと現在地ロストというリスクが限りなくゼロに近づきます。
そして『2つの方法がダメになっても手段が残されている』ということを意識するといいでしょう。

積極的にコンパスにチャレンジしてみて、不安になったら高度計やGPSで確認。そして読図の確度を上げていく・・・という使い方はいかがでしょうか。

当サークルでは、地図とコンパスに対し積極的で講習にも力を入れますが、CLが電子地図で作成したルートリーダー全員で共有
現在地ロストには絶対に陥らないためバックアップは厳重です。

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