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Kagoshima Mountaineering Circle

登山リーダーの仕事

登山リーダーの仕事

  • CL(チーフリーダー)山行参加者すべての安全を最優先に判断を下す隊長。
  • SL(サブリーダー)CL不在時または機能しなくなった場合の代行者。また、CLをサポートする協力者。
  • TK(タイムキーパー)山行時に時間を管理する者。先行や遅延情報を随時CLに伝える。

一般的には、CL, 第一SL, 第二SL・・・が連携しパーティーをサポートします。
​ここでの記載はハイキング専用で、CLとSLの仕事の一部をコンパクト化。便宜上、先頭をナビゲーター、最後尾をアンカーと称します。

まずリーダーは、登山のマナーを遵守しパーティーメンバーの手本となりましょう。
そして、ナビゲーターとアンカーはグループ単位で一蓮托生。ナビゲーターは、アンカーとコミュニケーションが図れる距離と位置を崩してはなりません。逆もまた然り。グループは、ナビゲーターとアンカーで常にサポートされていることが大前提です。
体調不良や事故が発生した場合は、グループ全体でその場に留まりCLの判断を仰ぎます。

Navigator

ナビゲーター(先頭)の仕事は、 “ナビゲーター” のほかに “パーティーに気を配る” の2つ。実践を重ね少しずつ慣らしていきましょう。
それと、ポジションはナビゲーターでもアンカーのことを理解していないとコミニケーションが取れないので、下段アンカーも読んでおきます。
解らないこと、疑問に思ったこと、CLへの質問はいつでも歓迎されます。

ナビゲーター
読図に必要なもの
1/25000地図(簡易地図ならCLが用意)
長辺が10cm以上のプレートコンパス(ブランドはSILVA, SUUNTOを規定)
読図は当日の集合でプチ講習を行います。

GPSを使う用意
GPSデバイス(ジオグラフィカ推薦
GPS予備バッテリー(スマホだと10,000mAh推薦)
GPSは、地図がオンラインロードしかできない(インストールもキャッシュもできない)タイプは厳禁。

GPSの事前準備
CLが作成したルートをGPSデバイスにインポート。
詳しくは、 “登山でGPS活用 – スマホ 前日までのGPS準備” の参照。

GPSルートはCLが作成します。必要なGPS環境はGPSデバイス(ジオグラフィカ)のみで問題ありません。のちにルートを作ってみたくなったら、CLを訪ねてください。
それとGPSはバックアップとして心がけ、さっさと答え合わせをする習慣を減らします。できるだけ、地図とコンパスでコースを特定してみましょう。

パーティーに気を配る
アンカーは見えているか?
オーダーは守られてるか?
パーティーに不自然な間はないか?
疲れた人・体調不良の人はいないか?

後を振り返るペース
100m単位
目標物や出会い分岐など要所
登山道が狭く見通しが悪いところ
勾配がきついところ

パーティーペース
オーダーはCLが山行計画時または当日に決定。
2番目に体力のないメンバーを置く場合が多いので、2番目にペースを合わせる。
同時に、ルート目標時間通りに進行中か?
標準歩行時間100%以上となる場合、CLの指示を仰ぐ。結構スタスタ歩かないと、標準時間以内に収まらない。

難所
難所では注意点を後続に喚起して、まず自分が通過。
その後、安全地帯まで移動してから、パーティーグループアンカーの無事通過を確認しスタート。
難所とは、滑落や転落の可能性がある場所で、注意喚起とは、1名ずつ通過や三点支持など。安全地帯とは、転落の可能性がない場所、かつ、転落の巻き添えにならない場所。あと落石のない場所。

登山者とのすれ違い
自分たちが下りの場合、『はーい、みなさーん左によってー♪』とアンカーまで聞こえるよう大声で促す。
相手がよけてくれた場合、『ありがとうございます!xx名です!』と明瞭に挨拶。待ってくださる方に、どのくらいやり過ごせばいいのか・・・を数字で伝える。グループが分かれているときは自分のグループの人数。
登山道は、基本左側通行なので避けるときも左だが、道が狭いときや崖があるなど臨機応変に。

Anchor

アンカー(最後尾)はナビゲーターの役割を理解し後方からの支援に務めます。ナビゲーターと同等もしくはそれ以上のスキルを要す。
ナビゲーターとアンカー双方とも、経験者の意見を受ける場合もありますが、人によって言ってることが違うと感じたら、山行中でもその場で遠慮なくCLに確認してください。

ナビゲーターのバックアップ
ナビゲーターは、CLとアンカーで2重にバックアップ。
CLが作成した詳細ルートから逸れたらCLに報告。ジオグラフィカの場合トラックロックオン機能が便利。
GPSは十分な容量の予備バッテリーを用意するなど、特にバッテリーには気を付ける。

パーティーに気を配る
ナビゲーターは見えているか?
オーダーは守られてるか?
パーティーに不自然な間が空いていないか?

ナビゲーターへハンドシグナル
ナビゲーターが後方に気を配るので、目があったら『OK♪』と両手で頭の上に大きな丸を作り合図を送る。『OK』のシグナルは目が合うたび行わなくても、ポイントと考えられる場所で良い。
例えば、難所通過や分岐など。
なにか問題がある場合『ちょっと待って~』とバツを作る。緊急は、ナビゲーターとCLに叫ぶ。

難所
登り途中のメンバー転落を想定し、パーティーに巻き添えが考えられたら安全地帯で控えるよう促す。
下りの場合、通過が確認されてから次が行くように指示。三点支持ができていないメンバーには、後ろ向きで下り手を使うよう具体的に指示する。

パーティー離脱
体調不良やキジ撃ちなどパーティーからメンバーが離れる場合、アンカーは付き添うもしくはその場に留まる。そのメンバーが先に行くよう強く促しても『ここで待ってます♪』と諭す。
そのとき、ナビゲーターに声を掛けその場に留まってもらう。オーダーを乱してはいけないし、グループ単位でメンバーを置いていくことがあってはならない。

後ろからの登山者
後ろから自分たちのパーティーより速いペースで人が迫っていたら、『みなさーん、左によってー!』とナビゲーターまで聞こえるよう大きな声で。

オーダー
オーダーとは歩く順番で、CLが山行計画時または当日に決定。
特に難しいコースでなければCLは最後尾を歩き、参加メンバー全体を見渡せるようにします。難易度が高いルートではCLがトップ(先頭)を務め後続者を確保。CLがナビゲーターを兼ねる場合は難易度が低くてもナビゲーターのポジションとなったり、また、中間に位置したりもします。
セカンドには一番弱い人を置き、パーティーペースを整える。 ≪ 経験者・初心者・経験者・初心者・・・ ≫ の順が、前後から初心者をフォローできて望ましい。

  • ナビゲーターはセカンドにペースを合わせ、オーバーペースにならないようコントロール。
  • CLはパーティーのスピードに無理がないか、メンバーの疲労はどうかを常に確認しながらナビゲーターやメンバーに指示を出す。また逆に、現在のペースを維持するとリスクが高まると判断されたら、スピードを上げる場合もある。
  • お互い常に見える範囲内で歩くのが原則だが、CLがパーティー全体を見渡せない程度の大人数は、SLを各所に配置しパーティーを分けてサポート。各グループは4~6名が妥当で、状況に変化が生じたらSLはCLへ速やかに報告。
  • 分かれたグループに距離が生じる場合、トランシーバーや携帯電話など通信手段を確保。
  • 道間違いの引き返しなどオーダーが崩れた場合、直後に事故が起きやすいのでメンバーを先に行かせない。

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